従業員エンゲージメントサーベイからの組織改善プロセス
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
大量生産、大量製造の時代から時は流れ、人々の労働内容は高度化し、組織にとって従業員の重要性は継続して高まっています。
優秀な従業員が意欲高く長期間に渡り組織に定着することが組織の成功の鍵になります。
そこで、従業員が組織で体験する従業員体験を改善することで、組織についてポジティブに捉え、共感し、強くコミットして働くような状態である従業員エンゲージメントを高めることが必要になっています。
そういった背景もあり、国内でも
など、従業員エンゲージメントサーベイがサービスとして提供されはじめてきました。
一方で、実際にサーベイ結果をどのように活用するのか、という点に関するノウハウはまだまだ定まっていないように思います。そこで、組織改善のプロセスの典型例を1例まとめます。
従業員エンゲージメントサーベイとは?
従業員エンゲージメントサーベイは従業員エンゲージメントを計測するためのサーベイです。
従業員エンゲージメントは従業員が組織についてポジティブに捉え、共感し、強くコミットして働くような状態です。
詳しくはこちらを参照ください。
サーベイを利用した組織改善プロセスの例
組織改善プロセスの1例をまとめます。
- インプット収集
- 問題発見
- 問題の存在確認
- 問題選定
- 施策の立案
- 施策の遂行
- 施策の影響確認
- 施策の実施結果の周知
1. インプット収集
エンゲージメントサーベイにより問題を発見するために必要なインプット(定量、定性)を行います
2. 問題発見
エンゲージメントサーベイのアンケート結果を元に組織の問題を発見します
3. 問題の存在確認
洗い出した問題が実際に存在するのか、ユーザーインタビューやディスカッションで確認します。
当事者を含む関係者による対話や、1on1、追加アンケートなど複合的に実施するとよいでしょう。
4. 問題選定
存在確認ができた問題群の中から、最優先で取り組む対象を選定します。
理想的には最もインパクトの大きな1つの問題を解決し続けるのがよいでしょう。
5. 施策の立案
最優先で取り組む問題を解決するための施策を立案します
6. 施策の遂行
最優先で取り組む問題を解決するための施策を実施します
7. 施策の影響確認
施策の実施結果を確認します。想定される結果にいたり、問題を解決できたか確認します。
解決できていない場合は 5 の「施策の立案」まで戻ります。
8. 施策の実施結果の周知
施策の実施結果を周知します
サーベイを利用した組織改善プロセス失敗の例
サーベイを利用した組織改善が失敗する場合のプロセス例です。
1. インプット収集
エンゲージメントサーベイにより問題を発見するために必要なインプット(定量、定性)を行います
2. 問題発見
エンゲージメントサーベイのアンケート結果を元に組織の問題を発見します
3. 問題選定
多数の取り組み対象を選定します
4. 施策の立案
最優先で取り組む問題の施策を立案します
5. 施策の遂行
取り組む問題の施策を実施します
問題点
「サーベイを利用した組織改善プロセスの例」との違いは4つです。
1つ目は問題の存在確認をしていないことです。
サーベイ結果だけをみて推測のみで施策の実施までしていることになります。問題が実際に存在しているかわからないため、無駄足に終わる可能性が高まります。エンゲージメントサーベイは一般的に定量的なスコアと、匿名のオープンクエスチョンで実施されます。これらの情報は本来存在していた問題の存在を示唆する炭鉱のカナリアになるものの、情報量が抜け落ちているため正確に問題を特定するためには追加調査が必要になります。
2つ目は取り組み対象を多数設定していることです。
組織改善は通常業務と並行して行われます。多数を並行して実施するとどれも中途半端になりやすく、仕掛りのまま着地せずに立ち消える可能性が高まります。重要な少数の項目を着実に解決していくの好ましいです。
3つ目は施策の実施結果を確認していないことです。
結果を確認していないため、施策を実施した結果問題が解決されたのかわかりません。事前に期待される成功状態を定めておき、実施後に成功状態まで到達したか確認しましょう。
4つ目はサーベイ結果を踏まえて実施した改善施策を周知していないことです。
周知がないと従業員目線でサーベイが活用されているかどうか把握できません。するとサーベイの実施を繰り返すたびに「何に使っているかわからないサーベイだし、真面目に答えないでいいか」というように回答意欲が下がりやすくなります。
まとめ
従業員エンゲージメントサーベイからの組織改善プロセスについてまとめました。
粒度としては荒いものですが、失敗例にあげた4要素あたりは抜けやすいプロセスではないでしょうか。